体臭戦記①からの続きです↓
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電車に乗れなくなった、35歳の夏
だんだん、気温が上がり汗と皮脂が大量に出る、夏の訪れが恐怖になっていきます。
ついに35歳の夏、電車やバスに乗る事まで怖くなりました。ある日、目的地に向かう手前で、隣に座ったおじさんが、クンクン、スンスンと鼻を鳴らし始め、臭い元を見るかの様に私の方を向き確認。これまでもこの様な経験を重ねてきていた為、ついに電車にいられなくなり、降りてしまいます。行くも帰るも出来なくなり、ホームに立ちすくみました。これはいよいよヤバい。と、その日すぐ受け付けてくれる最寄りの心療内科にその足で行きます。
心療内科受診
そこで人になかなか言えなかった思いの丈を吐露しました。
心療内科には、カウンセリングも受け1ヶ月ほど週末に通院しました。今まで話せなかった辛い心情をカウンセラーに聞いてもらい、気持ちが楽になったのを覚えています。
通院して一ヶ月程経った頃、今のパートナーと出会います。彼が自分の精神面でのクッションになってくれると思ったので、心療内科通院はとりあえずここで一旦ストップしました。直近の危機は回避できたのと、パートナーの出現がストップ理由ですが、もう一つ。心療内科との医師とは「臭うか臭わないか」で認識がずれがちです。大体ドクターは「臭わない」と言います。でもそこからでは、同じスタートラインを切れない&抗鬱剤等の処方にも及んで来るため、取り急ぎ切り上げました。本当に欲しいのは、抗鬱剤では無くて「臭いを軽減してくれる薬」ですから!
アキュテインを内服してみる
この歳は、皮脂分泌を止める方法にもトライしてみました。ニキビ対策として用いられる「アキュテイン(イソトレチノイン)」の内服です。重度のニキビに対する内服薬ですが、要はビタミンAの大量摂取の様です。それを医師監修下で行うと理解しています。このアキュテインを摂取すると、皮脂分泌を元から締める様です。それを、ニキビ治療ではないが、体臭で悩んでおり、皮脂分泌を抑制したいから処方して欲しいと医師にお願いしました。
結果…飲み始めてすぐ、皮膚やら色々乾燥し始めました。唇などカラカラで、薬用リップを常時付ける必要がある位。
皮脂分泌が断たれているのがわかり、当初期待しました。が…!!
期待と反して、自分でも分かる程不快な臭いが急激に強くなったのです…。びっくりしました。その現象が収まらないので、やむなく1週間程で内服をストップしました。皮脂分泌を断てば臭いが収まる訳では無い事が、この経験により分かりました。
低容量ピルとアポラスノンを内服してみる
また、この歳以前からトライしていましたが、臭いが強いのは男性ホルモンが人より多いせいか?と仮定し、男性ホルモンを抑える為に有効とされる低用量ピルも継続していました。それに加え、血圧を下げる薬が結果的に男性ホルモンも抑える効果がある、というのを知り、「アポラスノン」という薬を一時期病院から処方してもらいました。このお薬を服用すると利尿作用が高まり、一時間に一回はトイレに行かなければいけなくなりました。更に飲んで一ヶ月後位に、腎臓上辺りに謎のじんましんが出没。一ヶ月ほど消えなかった為、薬アレルギーと判断され、もう飲めなくなりました。
また低用量ピルも長期継続する事で増えてしまう中性脂肪が増加した為、やむなくストップ。
色々トライ&エラーの模索は続きます。
闘志を燃やし、そして疲弊した37歳
この時の私は、この歳の夏に向けて、臭いに絶対打ち勝ってやるって闘志がありました。
なので、いざ、夏を迎えた時、体の武装はかなりのレイヤーでした。
①朝のシャワー上がりには、スイス生まれのアルム石を上半身にぬりぬり。
アルム石とは、要はミョウバンらしいです。
②そしてワキ用デオナチュレも上半身にぬりぬり。
③そしてAg入り制汗スプレーを上半身にふりかけ。
④最後は香水で仕上げる。
もっと何か重ねてたかもしれませんが。とにかく武装しました。臭いを出さないぞと。そして仕事のミーティングに挑みました…が。いつものリアクションに加え、くしゃみや咳する人が激しく連発。
…今思えば上記のレイヤーで身体に塗布しまくった「化学物質」達が、目に見えない細かい粒子として飛散され、これらのアレルギーの様な反応を逆に導いてしまったのではと思っています。
この歳は、仕事でも想像しなかった新種のストレスに見舞われた事もあり、かつこの臭いとの戦いもあり、精神的に本当に疲れてしまいました。「次の夏はもう越せない」。その思いが強く、夏が終わり始めた10月、職場のマネージャーに初めて自分の抱える問題を伝えました。そして、今期の仕事をやり切った後、来年暫く仕事をお休みさせて欲しい、と話しました。辞職を選ぶ前に、せめて休めるのなら休んで、時間を稼ごう。その間に何か解決策にも出会うかもしれない。何より来年は夏を負担に思わなくて良いと、自分を安心させたい。そういう気持ちでした。
38歳、ついに休職。
休むまでに色々ありましたが、
この歳に半年ほど、会社を休職しました。
休んでいる間、やった事は。
①なるべく自炊(なるべく無農薬の野菜やホルモン剤等の影響の少ないお肉、お魚を選び)
②適度な運動(水泳を取り入れました)
③漢方を飲む
2014年12月に、体臭にも対応してくれる漢方薬局を見つけ、そこに相談しに行きました。そこで処方された、たかーい漢方を飲む。飲んだものは、以下です。
▪︎油は油で制す。との事で「ベジタブルオイルRevi」
▪︎サポニンが入った漢方(だったと思います…)
▪︎馬の心臓が錠剤になったもの
▪︎クロレラ
▪︎米油
全部ずっと飲んだわけではなく、最後はクロレラだけになりました。
③の漢方は、漢方薬局とちょっとしたトラブルがあり、今現在はもう飲んでおりません。が、「良くなりたい」と思う自分にとっては、明確な希望と努力になった事は確かです。(実際漢方が効いたかどうかは不明)
①②は、現在フリーランスのパートナーと一緒にやっていました。
平日は基本、上記の体臭対策。週末は友人にも会いに街に出かける。という半年間を過ごしましたが、とても快適な日々でした。電車やバスも乗りましたが、ほとんどリアクションを受ける事無く過ごしました。
天国の様な日々。自分でも臭いの問題が実は快方に向かったのでは?!と、本当にそう思いました。
そして、会社に復職する日が近づきました。
復職その後のもがき
復職する際は本当嫌で仕方ありませんでしたが、また戻って働ける所がある、という事にも同時に安堵しました。
戻った当初は「本当に良くなりました!」なんて内情を知るマネージャー等には伝えていたものですが、やはり、1週間もすると…周りの人々は私の臭いに気付き、リアクションを見る様になりました。
やっぱりか…なんて現実にがっかりしつつ、なるべくまだ人が少ない時間に早く出社して、早めに退社する。周りにもこの働き方を見せて定着させつつ、自分がストレスにさらされる時間を少なくする様にしていました。
代謝異常の検査を受ける
そして、復職後にも、色々もがきました。
やっぱり本当は病気なんじゃないのか?!そう、ちゃんとした病名が欲しい….と、代謝異常の有無を検査してくれる「日本疾患メタボローム解析研究所」を見つけ、試料(尿)を送って検査してもらいました。通常では発見できない代謝異常等の疾病に引っかかってくれれば…と思ったのです。
結果は、異常なしでした。コメントには「ケトン体が若干高い」とありましたが、朝の試料の為問題なし、との事でした。この検査で疾病と繋がる証拠を掴む事は出来ませんでした。
エチケットビューを飲む
そして、便やガスの臭いを軽減させてくれる「エチケットビュー」というサプリに出会い、飲み始めました。カテキンや野菜、果物から抽出したエキスを元にしたサプリで主に介護現場で使う為に開発された様です。元々ガス腹という問題もあり、体臭が内臓から全身に影響しているのならば、このサプリが効いてくれるのでは、と思ったからです。
このサプリは、確かに効きました。
飲んで3−4日後から、便やガスの臭いが明らかに軽減しました。効かないサプリは色々飲んだだけに、この商品の信頼性にはすごく好感が持てました。(オナラや便の臭いに悩んでいる方にはオススメしたいサプリです)
そして、このサプリは体臭にも効果がある場合があるとの事で、それも期待しました。が、そこは自分にはあまり効かなかったみたいです。
でも、このサプリで便やガスの臭いが軽減された事で、腸内環境が体臭に直結している、というわけでもない。と考えを詰める事が出来ました。
やっぱり辞める?
復職後のGW前は、段々気温も上がり、臭いも増し、周りのリアクションも更に派手になってきました。GW突入と共に精神はバタンキューという感じでした。「もう限界だ…いよいよ辞めよう。」もう随分前から辞職を考えて、よくここまで延命してきたじゃないか。よくやったよ。という気持ちで、GW中は、新しく住む場所を探し始めました(今の住居は辞職したら出ていかなきゃいけない為)。
そこで、同居中のパートナーと共に次に住む為の家を色々ネットで探してみますが、該当する家は、一様に「高い」!
パートナーはフリーランスで、収入が安定しない懸念があるし、自分が仕込んでいる次のキャリアも、本当に食べていけるのかまだ分からない…。そう、そして「まだ辞められない」んだという結論に。
この結論に至り、そして辞めるという逃げ場を無くし追い詰められた自分が思った事、それは、「じゃあ自分の脳を変えよう!」という事でした。これが一番コストもかからず近道だと思ったのです。どんなに臭ってたって自分が気にせずハッピーでいられたら、何の問題もなく、結果周りもハッピーだろうと。臭ってて更に陰湿なムードの人より、臭ってても嬉しそうにしてる人の方が、一緒にいるには楽しいじゃないかと。そう、開き直ろうと思ったのです。「臭いですけど何か?」といった感じに。
ヒプノセラピーを受けてみる
でも、今までそれが出来ていたらこんな苦労していません。やはり専門家の助けを入れようと考えました。そこで探し出したのが「ヒプノセラピー」、つまり暗示療法です。簡単に言うと臭ってても気にしない、超図々しい脳に変えるお手伝いをお願いしようと思ったのです。
実際にお願いしたヒプノセラピストのページはこちら
※私が受けたのは、暗示療法、ゴール・イメージ・フォーカシング・テクニック(GIFT)という、スポーツ選手などが行うイメージトレーニングと同じ原理を利用した技法のものです。
今のところ1回しか行っていませんが、このヒプノセラピストの女性はすごく話しやすくユーモラスで、自分の悩みを話していてもなんか笑えてくる所がありました。3時間のセッションでしたが、この時間だけでもすごくポジティブになれたと思っています。
これを受ける前に、ぼんやりとしたヴィジョンで行くとそういう結果にしかならないと思い、高いお金払っていくなら、自分の欲しい結果になる様にと下準備しました。それは「臭う事のポジティブサイド」を探していく事です。
そういう目線で体臭を見ようとすると、今まで出会わなかった見解に出会う様になりました。
体臭がある、または強いのを忌み嫌うのは現代だけど、ほんの少し過去の時代では、それは生命力の強さの象徴であり、ルイ4世などは体臭の強さを誇示していた…という記事に出会ったり。
また、ちょっと話が逸れますが、私のパートナーは、私の臭いを全く気にしません(だから一緒にいれるのだと思いますが)。でも、彼は結構なケミカルアレルギーです。私が家で接着剤のフタをちょっとでも開けたら、すぐに勘付きます。そして、目や喉の痛み、頭痛、皮膚のかゆみ、そして不眠を訴えます。外出先でも即座にケミカル物質に気付き、有害物質を感知したらば、速攻その場から退散します。
でも、自分や他人の体臭には全く無頓着なのは、ナチュラルで「無害」だからだそうです。
(タオルが雑巾の様な雑菌臭を放っても、全く気にしません…これも無害だからでしょうか…)それと日本人では無い為か、体臭は人間にあるものと捉え、寛容である事も理由としてあると思います。
現代ではこんな人の方が稀かと思いますが、本当は、人間の健康を考えると、理にかなった反応だとも思います。
動物は彼らの縄張りを示す為におしっこ等で臭いをつける「マーキング」を行います。自然界では、臭いがある方が強いという事だと思います。
現代の人間、特に日本の社会では体臭がある事は非常に生き辛い事ですが、何メートルにも拡散出来る体臭は、動物界で言えば、それだけ縄張りを広げられているという事かも知れません。
ヒプノセラピストの方とは、この様な「臭う事のポジティブサイド」の話から、暗示へと導く一つのストーリーを作成しました。「臭っても気にしない図々しい脳に変えたい」のが目的でしたから、次の様なストーリーに仕上がりました。
”自分は、自分のいるエリアのKING。そこで発せられる自分の臭いは、自分の空間の証明である。そこで鼻すすり等のリアクションをした人は、自分の空間に入ってきたと解釈。その自分の空間に入ってきた人に対し、自分は「良い、良い」と心の中で許可を与えてあげる…”(良い、良い、はまるでお殿様が言う様なニュアンスです!)
簡単に言うとこんなストーリーですが、伝わりますでしょうか(笑)
この、ヒプノセラピストが言葉で語ってくれた暗示のイメージを録音機器で録音し、繰り返し聞く事で、イメージを強固にしていくのです。
テーマ曲?も決めました。ディズニーの映画「ライオンキング」の”Circle of life”です。いい曲ですよね!
具体的には、私が苦手な電車等の公共交通機関に乗る前に、この”Circle of life”を聞き、暗示のスイッチをオン。そして乗車。そこの空間、臭いが広がるエリアは私の空間であり、自分がKINGであるのです。他者のリアクションは、私の空間にいるサイン。「居てもいいですよ」と、心の中で呟く。この考え方は、臭いがある事で、自分を蔑み、自身の存在すらも否定してしまう私自身を、リラックスさせました。そして本当に良いヒプノセラピストに出会えたと思いました。
このヒプノセラピストの方が初めて本を出されたとの事。大和出版から出ている「他人に振り回されない心理学」という名前の本です。
早速読みましたが、臭いに悩んで自尊心を傷付け続けている人には、是非読んでもらいたいなと思う一冊です!「自分を大切にする事の大事さ」「その方法」等々、非常に分かりやすく書かれていました。超オススメかつ、サラっと読めてしまいますので、良ければ是非読んでみて下さい!
新しい視点で見る事に気付きつつも、まだまだ、体臭との戦いは続きます!
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