臭いと戦う!
アラフォー女の”七転び八起き”な体臭戦記
体臭戦記

遺伝子診療の門戸を叩いて ー 私の体臭戦記⑥

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大学病院の遺伝子診療センター受診2回目

体臭戦記⑤で記載した遺伝子検査を受ける目的で201911月末、2回目の遺伝子診療センターを訪問。
予約時間は30分でしたが、その枠を超え1時間程は診療頂いたと思います。
先生は前回に続き同じ女性の先生に、遺伝子カウンセラーの方(女性)も同席しての診療でした。

各種データの提出

私の方からは前回持参すると伝えた、今まで調べてきた以下各データを提出しました。

①体臭クリーニング全データ
②先天性代謝異常症診断報告データ
腸などのCTスキャン結果
④直近の健康診断データ
⑤体内のカンジダ菌調査結果
⑥栄養解析データ

渡したデータについて、先生からは「これこれ!これが欲しかった」と、体臭クリーニングのデータがかなり喜ばれました。臭いについての具体的表現があるモノが欲しかった様でした。

においと化合物を照らし合わせる表の出現

今回先生からは「自分の臭いで当てはまる表現をチェックして」と、臭いの種類が幅広く、こと細かに表現された”臭いと化合物名が書かれた表”一覧を渡されました
例えばライムの花のよう、古い、穀物様、ワックス様、ブドウ様の臭いは”2-アミノアセトフェノンが化合物であったりと臭いが様々な形容で書かれ、それらの化合物名が明記されております。数年前に香水の作り方を学び、その際にも香水を構成する様々な香りについて言葉で表現する経験をしましたが、まさにそれを彷彿とさせる表!
こんなものが医学の世界でもあるんだ」と今までの治療ではまず出会わなかった確認内容物に、感動を覚えました。

そしてこの項目に自分の臭いが当てはまると思われるものを、その場でチェックし提出しました。

事前検査を受ける準備を行う

また先生より今後の治療方向への説明があり、遺伝子検査をする前に、私自身にまずは「問題が無い事」を確認する前提で事前検査をしようと思いますが、受けますかと言われ、もちろん受ける事を選びました。

まず先に提出した「先天性代謝異常」検査結果で確認出来ていない他項目と、血中内のアンモニアそして尿内のアミノ酸を数種調べるとの事で今回それらを採取しました。

 また、先に提出した臭い物質のチェック表から導き出される内容についても、考察される様でした。

先生からは、

仕事も続けて欲しいし、銀子さんの(臭いの悩みにより)失われた20年を取り戻してもらいたい。人生をもっと楽しんで欲しい

との言葉を貰い、「そんな日々が来たら、夢の様です」と答えながら、また涙をグッと堪えました。こんな言葉を、お医者さんから言われる日が来るなんて…。

そして「治療で必要ならば、メンタル面をサポートするチームを組む事も出来る」と、何とも手厚い治療提案が!フィジカルだけならず、メンタル両方からのサポートが受けられるなんて、本当に心強い。

そして、気温が下がり「今は全く臭いを苦にしていない」現状を伝えた上でですが、「快適に過ごせる冬の期間は限られているんだから、今は何も気にせず日々を楽しんで下さい!」という温かい言葉を頂き、この回は終了しました。

私は今度こそ、今までに見出せなかった問題解決への新たな道を歩める気がしてなりませんでした。

しかし…

受診3回目

「事前検査の結果が出たら電話して知らせる」との事だったので、3回目の受診予約は取らずに連絡を待つ事に。12月は連絡が来なかった為、時間がかかるのね〜と新年の連絡に期待しメキシコに飛ぶ事に。

そして帰国後、日々の仕事の傍ら電話を待ちましたが、中々来ない。ちょっと長いかなあと、1月下旬にこちらから病院に電話をしてみました。

「丁度結果が出ております」

との事だったので早速予約し行く事に。一ヶ月半以上はかかりました。

会社を休んで平日朝10時に予約。今回は初めて遺伝子診療センターがあるフロアでの受診だったので、いよいよ治療に踏み込むのかと自分の名前が呼ばれるのを待ちました。

程なくして声がかかり、診療室へと向かいました。

検査結果

まず、検査結果について先生より「今回は良かった報告と、どうしようかな~と思う所があります」と言われました。
良かった事は、検査結果が異常なしだった事。「有機酸スクリーニング」という検査が実施されておりそこの検査判定に「明らかな有機酸代謝異常の所見はみられませんでした」とありました。

この検査では有機酸代謝異常症を始め、各種代謝異常症にも対応しているとの事。
そうか~、引っかからなかったか。ふむふむ。

私の代謝は正常と結論づけられました。そして汗からでも無い。汗は普通だと。
続いて、”臭いと化合物名が書かれた表”に自分の思い当たる臭いをマークし提出した考察ですが、私がマークした臭いの化合物は

アルデヒド6~10

に分類する事が出来る。つまり皮脂由来だという事でした。この組み合わせや結合により臭いが変わるとの事。
例として、酢酸とアルデヒドが結合するとオプタノールというマッシュルームの臭いになるが、この結合が強いと機械臭となるとの事。

ここまで、ふんふん、納得、その通りだと思います。という展開でした。

じゃあどうすれば?という問いについては一言で言うと「皮脂を抑える」という事になるのですが、皮脂の分解は主に皮膚の常在菌により行われ、外環境やその時塗布しているコスメ等で臭いもそれ毎に異なってくるそう。なので「分解を抑える」様に、例えば抑制効果のある銀入りの臭い対策品を使う…等を言われましたが、それはもうずっと前から対策として行っている事で、自分への効果度合いは残念ながら想像が付きます。

「皮脂を抑える」具体的対策案は無いのでしょうか?と聞いたところ、男性ホルモンを抑えるとか、究極のニキビ治療の様なものになるとの事。

これら二つは体臭戦記②でも記載しましたが過去に取り組み済みで、良くなるどころか返って酷い状況になった苦い体験があるので、私に挑戦する気が無く、また先生も推奨する気が全く無さそうでした。

私へのこの診療の前には、担当医の他に皮膚科や生化学のお医者さんも含めて方針が話し合われた様で、

「でも、皮膚科の先生によると皮脂って50代以降からはだんだん減ってくるそうよ」

と、何もしなくとも年齢を重ねれば自然と抑えられていくものだと言われました。

遺伝子カウンセラーの方からは「皮脂分泌が活発な事は代謝が良いという事で、健康なんですよ」…と、素敵な笑顔で言われました…。

私はすっかり「健康な人」ポジションでした。

そして「冬の間は平気で、春から始まり夏になる程つらい」という私の状況に対し、先生からの提案は「環境を変えてみてはどうか」という事でした。

環境を変えて生きてみては?

例えば夏、本州よりも涼しい、北海道。旭川なんかはどうだろうか。今の仕事で旭川支店勤務とか出来ないだろうか。
または、アメリカのミネソタ州とかは、10月から4月までは雪の世界で、冬が多いのだそうだ(日本の北海道の気候と似ているらしい)。

・・・えっ・・・となりつつも、支店勤務とかは出来ないので、今の雇用形態を続ける事は出来ないと思うけど、自分は兼ねてから独立し、自分の時間や働く場所を自分に合わせて仕事をするのが良いと思っていたし、最近メキシコに行って新たなモチベーションも沸いたところなんです。

と、混乱しながらもこの提案についての肯定的な意見を述べていました。

頭の中にある幾つかのアイデアを話し、それについて先生も遺伝子カウンセラーも大賛成!いいじゃない!といった感じで、

人間万事塞翁が馬」という諺があるけれど、銀子さんもこれがきっかけで世界に出て、結果「こんな狭い日本にずっと居なくて良かった」と将来なるかもしれないじゃない!

人間万事塞翁が馬とは

「淮南子(えなんじ)」人間訓から》人生の禍福は転々として予測できないことのたとえ。「人間万事塞翁が馬」
[補説]昔、中国の北辺の塞(とりで)のそばに住んでいた老人の馬が胡(こ)の地に逃げたが、数か月後、胡の駿馬(しゅんめ)を連れて帰ってきた。その老人の子がその馬に乗り落馬して足を折ったが、おかげで兵役を免れて命が助かったという故事から。
デジタル大辞泉より引用

と、何が幸で不幸になるかなんてわからないのよというポジティブアドバイスを頂き。

最後には「いつか銀子さんのビジネスの成功に出会えるのを楽しみにしています」

という後押しのお言葉をもらい、何と通院はこの回で終了してしまいました…。

その後の展開

まさかここで診療が終わるとは夢にも思っていなかった私。

突然シャッターを下された様なショックを受けていました。まだまだ誠実な関係が続くと思っていた相手から3回目のデートで思いがけず正当な理由で振られた様な気分でした。

後から、

「事前検査は、問題が無い事を確認する前提だったよね?」

「メ、メンタルサポートのチームの話は何処へ…?」

「肝心の遺伝子検査まで行けなかった…メキシコのお医者さんに話まで通して貰ったのに…」

「何であの場で、それでも検査を受けたいと言わなかったんだぁぁぁ」

と、頭の中でぐるぐると後悔しきり。でももう扉が閉められた今、わざわざ再依頼するのはどうも違う気がして行動に移せず…

風邪を引いていた私は、このショックからかその後体調を更に崩し2日程寝込みました。

この受診の前日は、私が毎年楽しみにしている「グラミー賞授賞式」の日で、次の日のこの展開を全く知らずに私はこのグラミー賞放映を観て心から楽しんだのですが、

受診を終えた後のショックを受けた我が心が、その後シンクロしたのはデミ・ロバートの「Anyone」という曲。2年前のドラッグ大量摂取による緊急搬送後の彼女の復帰初舞台となった今年のグラミー。歌い出しの涙によるミスも含めて、素晴らしいステージだったのでは。

3/5追記:グラミー賞のyoutubeが見れなくなったので和訳のあるものにチェンジしました↑

この曲は緊急搬送の4日前に彼女自身により書かれた曲だそう。「悲痛な痛み」を歌ったこの曲に弱った私は呑まれていました。

何度も聞いて、またも涙…。

※グラミー賞を正式放映しているのは日本ではwowow のみ。3/24(火)22:00〜グラミー再放送があるらしいですよ。ネットで見るならparaviでwowowが見れます(←今回はこれでPC鑑賞しました)。どちらも有料ですが、興味があれば是非!

話が逸れました。笑

 

七転び八起き。前を向いて生きるのみ!

それでも体調が回復するにつれ精神面も回復し始め、段々と

先生達が私の最善策を考えてくれた結果なんだな」と考えられる様になりました。こちらから提出した各種データ、検査結果や伝えた話、実際の身姿より総合的に判断した結果なんだと。(自分の体で起こる現象の全てがクリアになった訳では無かったですが…)

確かに、私の苦しみのピークである日本の夏を避けて生きれば、身体に特別な事をしなくても対策出来る。今まで幾度も「夏の間に冬の国に移住」する事などを考えましたが、究極の行動の様に感じていました。

でも、先生達からこの対策を真正面からオススメされた事で、「究極」だったこの方法は、実現可能な事だと思える様に。

子供の喘息を治す為に、空気の綺麗な場所に移住し、新幹線で通勤する人もいる。
宗教観が合わずに国を出る人もいる。
内戦から逃れる為に国外へ逃げる人もいる。

そう思えば、「夏の苦しみを回避する為に、その時期移住する人もいる」事だっておかしくは無い。
そもそも、一年中常春な国もある訳で、そこに生まれてたら私の悩み度合いももう少し軽かったかも知れない。極寒の環境で狩猟をしているイヌイットの人々として生まれていたらば、もうこんな事で悩んでなかったかも知れない。

…実現するに当たり、幾つかの現実問題は確かにあります。でもやってやれない事では無いと、大きな気持ちで構え始めました。

そんな訳で、遺伝子診療の門戸を叩いた私が得たものは。

  • カウンセリングによる長年の精神的な痛みの緩和
  • 代謝異常も無く汗も正常という検査結果
  • 自分の臭いは皮脂に由来するという問題の明確化
  • その問題を解決する為の抜本的な対策案の提示
  • 自分が新しい人生に一歩を踏み出す為の、先生方の前向きな後押し

大きくはこの5点だったかと思います。

因みにかかった費用は

初回…13,200円(初回カウンセリング料/保険外)
2回目…5,080円( 検査・再診料/保険内)
3回目…30,558円(検査・カウンセリング料/保険外)

合計 48,838円

でした。これは病院毎の設定によって変わると思います。
全て保険外と思っていましたが、保険内で出来る事は保険内で収めてくれたりとこちらの出費が必要以上に大きくならぬ様な配慮を感じました。
(3回目の費用には有機酸スクリーニング等の検査費用が含まれている為、高額になっています)

自分の思った展開ではありませんでしたが、必要な期間内に充分なカウンセリングと必要な検査、そして対策方法を与えて頂いたと思います。無駄が無く的確で、TOTALでとても良心的かつ思いやりある診療を受けさせて頂きました。
そして今回私が受診した病院は「東京医科大学病院」でした。

また、「代謝異常」について相談、検査したいと思っている方。
内分泌代謝科」のある病院を受診するのが良いそうですよ。遺伝子診療科よりは敷居が低いそうです。

今回の経験を経て、今後は新たな人生設計のプラン構築と、(それでも知りたい)皮脂に有効な対策探し。どちらも進めて行く事となりそうです。

でもね50歳以降に皮脂分泌が減少するという事は。
歳を重ねれば重ねる程に気楽になるという事だと思うのです。
きっとおばあちゃんになる頃が人生の最高潮!
諦めず、より良く生きる為の工夫を凝らして進んで行きたいと思います。

今回はこの辺で。読んで頂き、ありがとうございました。

体臭戦記⑦に続きます。

 

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